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第39回樟蔭ファッションセミナー~化粧ファッション学科~

みなさん、こんにちは。

化粧ファッション学科の教員、真殿由加里です。

 

化粧ファッション学科では、10月8日(土)に本学にて、第39回樟蔭ファッションセミナーを開催いたしました!

 

 

今回のブログでは、第39回樟蔭ファッションセミナーの様子をお届けします♪

 

樟蔭ファッションセミナーとは!?

化粧ファッション学科が毎年行っているセミナーで、化粧ファッションの最前線でご活躍されている方をお招きし、ビビットな話題をご提供しています。

 

 

第39回樟蔭ファッションセミナーでは、

「顔が他者に与える印象―実験心理学によるアプローチ―」

と題して、顔認知をご専門にされている金沢工業大学教授渡邊伸行先生に、ご講演いただきました。

 

 

渡邊先生から「メイクやマスクが顔の印象をどのように演出するか?」「記憶の中にある顔をどの程度言葉で説明できるか」という、2つのテーマについてお話がありました。

 

コロナ禍でマスク生活をしている私たちにとって、「メイクやマスクが顔の印象をどのように演出するか?」は、とても気になりますよね!?

冒頭では、「文字や言葉だけでは伝わらない感情を表情で伝えることができる!」と、顔の役割についてお話してくださいました。

その後、渡邊先生が今まで研究されてきた顔の印象に関する実験心理学的研究をもとに、解説をしてくださいました。

 

実験心理学的研究ってなに!?と思われる方も多いかと思いますが、印象や感覚、頭の働きなどを調べるには、心理学の実験方法が役立つんだそうです。

今回のお話の前半では、その中の一つとして「セマンティック・ディファレンシャル(SD)法」という方法を使ったご研究をご紹介いただきました。人が何か対象に持つ印象って、言葉にしにくいし、その度合いも言い表しにくいですよね。でもこのSD法を使うと、複雑な印象を単純化した言葉で表せて、その度合いも数量的に表せるんです!SD法について詳しく知りたい方は・・・当日参加するべきだった!というのは冗談ですが、お調べになっても良いですし、本学科にご入学くださっても良いです!(半分本気です)。

 

 

実際に、このSD法を使って実験した研究結果から、就職活動メイクの印象やマスクの色と素材の印象、ヴィジュアル系バンドのメイクの印象などのお話がありました。「就活メイクにおいては、真っ赤なリップは活発に見えるけど好ましさは低い」「マスクの色は暖色系の色は活発さが感じられ、白は清潔感が感じられる」「ヴィジュアル系バンドメイクでは、オサレ系、コテ系、コテオサ系、ソフヴィ系、白塗り系などがあり(ただし約10年前に研究を実施した当時の分類)、髪の色やメイクが派手だと活動性が高い印象」など、おもしろい結果が聞けました!

 

このような実験結果を利用すれば、顔の印象をある程度操作できるようになるということでしょうか!?興味深い実験ですね!

私の顔って相手にどんな印象をあたえているんだろう!?って、気になっちゃいました(笑)

 

 

次に、「記憶の中にある顔をどの程度言葉で説明できるか」のテーマでは、現在渡邊先生が研究されている似顔絵捜査の研究についてお話しをされました。

 

似顔絵捜査って、みなさんご存じですか?

似顔絵捜査とは、目撃証言に基づいて、捜査員が捜査対象者の似顔絵を描画して捜査する方法なのです。渡邊先生は似顔絵捜査官にご協力いただいて、描きあがった似顔絵がターゲット人物とどの程度似ているのか?や、どうすれば似ている似顔絵になるのか?などを検討するための実験も行っていらっしゃるそうです。

 

警察の捜査において、昔はモンタージュ写真(眉、目、口などの部分を組み合わせた合成写真)を作成して捜査が行われていたこともあったようですが、似顔絵捜査に移行していったそうです。

似顔絵の利点は、特徴的な部分が誇張されることと、リアル過ぎないなんとなく似ている似顔絵になることで捜査の対象が広がることなど、いろいろあるそうです。また、紙と鉛筆さえあれば、どこでも描けるということでした。

 

そして、「捜査用の似顔絵は、通常の似顔絵とは異なる。」との話に。

「だって、目の前にモデルがいないよね。」「似顔絵捜査は、目撃者(被害者)の証言に基づいて描かないといけない。」「目撃者は心理的なダメージがあり、配慮しながら聴き出さないといけない。」「そして、目撃者は記憶が曖昧。」「似顔絵捜査とは、目撃者の記憶の断片を言語化してもらい、イメージや経験則に基づいて顔を再現する作業である。」とのこと。

 

 

ふむふむ。確かに・・・。

 

渡邊先生のお話では、似顔絵捜査官が描く似顔絵において、「雰囲気」の情報は大事とのことでした。

例えば、優しそう、若そう、信頼できそうな感じ、など。

似顔絵捜査官には、雰囲気から人の表情の違いを描き分けられる要素が重要!ということですね。

 

相手の雰囲気や表情を言葉で伝えるって、難しそう!?

自分がいつ目撃者になるかは分かりませんが、相手の雰囲気や表情を言葉で伝えられるよう、観察力や表現力、語彙力などを鍛えなければと思いました。

 

 

このように、今回の樟蔭ファッションセミナーでは、メイクマスクが顔の印象をどのように演出するかといった話題から、記憶の中にある顔をどの程度言葉で説明できるかといった専門的な話題まで、顔の認知に様々な角度からアプローチしている渡邊先生のおもしろくて目からうろこのお話がたくさん聞けました。

 

渡邊先生、学び多き貴重なお話をありがとうございました!(^-^)ノ

 

 

樟蔭ファッションセミナーは、年に2回(春と秋)開催しており、化粧ファッションの最前線でご活躍されている方をお招きして、ビビットな話題をご提供しています。

 

次回の樟蔭ファッションセミナーもお楽しみに♪

 

(化粧ファッション学科 真殿由加里)

 

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