子ども研究所シンポジウムが開催されました
10月8日に、2022年度子ども研究所シンポジウムが開催されました。
今年度は「子どもと環境がつながるとき-物語と想像力を手がかりに-」というテーマで、
子どもが身近な人やものなどの環境といかに関わっているのかについて大変貴重なお話をお聞きすることができました。
就職を間近に控えた4回生、教職員、学外からも多数ご参加いただきました。
ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。
基調講演は、滋賀大学の山本一成先生にお越しいただき、
「生態想像力から見る8歳までの体験と学びの深まり」というテーマでご講演いただきました。
「生態想像力」という言葉は、自己と環境との関係を知覚させる想像力、
身の回りにあるものと遠くにあるものとの関係を知覚させる想像力を指すそうです。
こうした力が、SDGsで示されるような持続可能な社会を構想していく上で重要となります。
山本先生は、そうした、自分達が生きていく環境に思いを巡らせ、よりよい社会を作っていく力の根っこが、幼児の想像力にあるのではないかとお話しされ、そうした豊かな想像力の具体例を、子どもたちの微笑ましいエピソードから示してくださいました。
学生の皆さんは、実習やボランティアで出会った子どもの姿を思い出しながらお聞きしていたのではないでしょうか^^
これから保育・教育の現場に出ていく4回生の皆さんは、今回教えていただいた「生態想像力」という視点を生かして、これまで出会った子どもたちやこれから出会う子どもたちとの関わりをさらに深めていってくれるのではないでしょうか。
後半のシンポジウムでは、児童教育学科の黒川先生、大杉先生が登壇され、想像力や物語の視点から、子どもと環境との関わりがさらに深く議論されました。
黒川先生からは、「生活環境・言語環境・社会環境と昔話 –子どもと昔話をどう繋げるか−」というテーマで、昔話をテーマに、その背景や、なぜ時代を超えて昔話が子どもたちに親しまれるのかなどお話いただきました。
誰もが知ってる桃太郎のお話は、それぞれの時代の影響を受けながら受け継がれているというお話は大変興味深かったです。
大杉先生からは、「子どもは『物語』で思考する−関連付けようとする働きに注目して−」というテーマで、物語とは何か、また物語が子どもにとってどのような意味をもつのかについてお話いただきました。
子どもは環境との関わりの中で出会う周囲の人やものを、子どもなりの方法で意味づけながら理解しています。
そうした子どもの「物語」に、保育者・教育者としてどのように関わっていけばよいかという大切なヒントがありました。
最後に、兼重学科長を座長に、3名の先生方とフロアとのディスカッションがありました。
ここでは、保育者・教育者として子どもと対峙する上での、より具体的な方法、展開についても議論が交わされました。
例えば、カリキュラムの中で、子どもの想像力をどのように育めばよいでしょうか。
さらに考えていく必要がありそうです。
大阪樟蔭女子大学 子ども研究所は、子どもをテーマに毎年シンポジウムの開催や、研究紀要の発刊を行っています。
シンポジウムの情報はホームページでお知らせしています。
今後も多くの皆様のご参加をお待ち申し上げております。
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