一人で文学(?)フィールドワーク

2019.10.11 国文学科
こんにちは!
 
大阪樟蔭女子大学国文学科では、
関西圏を中心に毎年何度かのフィールドワークを行っているのですが
(これまでのフィールドワークについては、以前のブログをご覧ください)、
今回は創作表現コース担当の奈良﨑が
一人でひっそり行ってきたフィールドワークについて、ご報告します。
 
まずは皆さん、
この穴、何だと思いますか?
 
IMGP0358.JPG
 
これがあるのは、加計呂麻島
って、ご存知ですか?
そもそも、この島の名前、読めますか?
「かけろまじま」ですね。
どこ? っと、思った方も多いと思います。
そんなときには社会科の地図帳を開いて、探してみてください。
きっと、見つからないでしょう!(笑)
関西からは遙か南、鹿児島県奄美大島の一番南の端っこにくっついている、
タツノオトシゴみたいな島、それが加計呂麻島です。
 
場所が場所だけに、ここへフィールドワークに行こうと声をかけても、
たぶん参加者ゼロでしょう。
フィールドワークというよりは、もうほとんど留学やろ! ってね。
というわけで、学生を引率することもなく、
夏の終わりにひっそりと家族で行ってきました。
 
実は、この島、関西と少しばかり縁のある
「島尾敏雄」という作家とゆかりの深い土地なんです。
島尾は兵庫県立第一神戸商業学校出身であり、関西には島尾文学研究会というのもあって、
一部でそれなりに名の知られた作家です。
詳細はここでは省きますが、
島尾は戦時中加計呂麻島に第十八震洋特攻隊隊長として赴任しました。
その時の史跡がこの地には残されています。
これまでにも文学関係の史跡を訪れたことはありますが、加計呂麻島は変な生々しさ、
というか、独特のリアリティがありました。
 
漁船のような小さな船で、島に渡りました。
 
IMGP0278.JPG
 
本当を言うと、目的はフィールドワークではなく、カヌー&シュノーケリング・ツアー。
ガイドをお願いしたSさん、
実は夏にNHKBSで放送されたトレッキング番組で、
加計呂麻島を案内していたガイドさんでした。
しばしば大学の先生の調査につきあったりTV番組のガイドなんかをやっているそうです。
このSさん、
なんと島尾敏雄の奥さんである、島尾ミホがかつて住んでいた古い家を借りているのだそうです。
 
カヌーを延々1時間も漕いで無人の浜へ向かったのですが、
島の海岸には謎の「穴」がいくつも……。
先の画像はこの穴を近くで撮影したものです。
 
IMGP0290.JPG
IMGP0349.JPG
 
そう、これは戦時中、島尾敏雄らが乗り組む予定だった
特攻兵器「震洋」を隠していた穴だったのです。
 
IMGP0353.JPG
IMGP0359.JPG
 
隠していたというか、まあ、丸見えやけどね(笑)。
やけに汚かったので、本物かと思ってしまいましたが、レプリカとのこと。
これに乗って敵艦に体当たりしたんですね。
幸い島尾は出撃前に終戦を迎え、
この島で知り合ったミホさんと結ばれることになってのでした。
ほとんど訪れる人もない土地で放置されているため、
レプリカのくせに、ずいぶん古びて見えました。
 
 
その近くの森の中に、ポツンと島尾敏雄の文学碑が。
 
IMGP0361.JPG
IMGP0362.JPG
 
何も知らずに行くと、結構違和感があるかも。
娘は「誰? まったく知らん」と。
 
近くの海の中には、かつての桟橋らしき橋脚が突き出ています。
 
IMGP0355.JPG
IMGP0356.JPG
 
無人の浜でシュノーケリングをしていると、海中にも戦跡
 
IMGP0341.JPG
IMGP0332.JPG
 
碇でしょうか、全長3~4メートルもある矢印型の金属製の何かが横たわっています。
あるいは何かよくわからない金属製の物体……。
 
IMGP0343.JPG
 
今は静かな海底でひっそりと貝や海藻のねぐらとなっていました。
ついでなので、海の中の様子を。
 
IMGP0336.JPG
 
紫の唇みたいにみえるのは、シャコ貝です。
 
IMGP0340.JPG
 
こちらは30~40センチほどの真っ黒のウミユリ
触れようとすると、一瞬で殻の中に消えてしまいます。
なにせ浜はカヌーでしか行けない場所だから、
店も人もいなくって、泳ぐしかすることない!(笑)
カヌー&シュノーケリングだけの7時間もの長いツアーは、正直しんどかったです!
帰りは「ちゃんと漕げよ!」って、後ろから娘に声をかけながら、
こっそり休んで茶なんか飲んでました。
こんなので、「虐待された」とは言われへんよね?
 
自然いっぱい、文学碑に戦跡もある加計呂麻島、奄美大島からは目と鼻の先なのですが、
沖縄とちがって補助金が少ないから橋は出来ないのだそうです。
そんなに観光客来なくていいです、静かですから、とSさんは笑ってらっしゃいました。
 
興味のある方!
一緒に加計呂麻島へフィールドワーク、行ってみませんか!
というのは、冗談です。
 
やっぱりみんなで行くのなら、近場で賑やかに!
ということで、皆さん!
入学したら、フィールドワーク、行きましょうね!

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