「読書へのいざない」長谷クラス③(前半)~『もしも矢沢永吉が『桃太郎』を朗読したら』を読む~

2019.04.09 国文学科

こんにちは。国文学科の長谷あゆすです。

今回も、ゆるキャラの樟次郎(しょうじろう)くんと話しながら、

1年生秋期の必修科目「読書へのいざない」の様子をふりかえっていきたいと思います。

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「こんにちは~。今回もよろしくお願いします。」

 

このキャラを初めて見たという方は、ここまでの関連記事もご覧ください。

・「国文科ゆるキャラ決定!」→こちら

・「「読書へのいざない」長谷クラス①~草双紙「桃太郎昔語」を読む~」→こちら

・「「読書へのいざない」長谷クラス②~芥川龍之介「桃太郎」を読む~」→こちら

 

【長谷クラス3回目。】

樟次郎:この科目では4人の先生が担当する授業を3回ずつ受けていくんですよね。

長谷:そうですー。私の授業では「桃太郎もの」がテーマで1回目が古典、2回目が近代の作品を取り上げました。

樟次郎:3回目は何を読んだんですか?

長谷:こちらです。

 

『もしも矢沢永吉が『桃太郎』を朗読したら』(星井七億、2015年、鉄人社)

 

この本は「ナナオクプリーズ」という小説ブログのショートショートを書籍化したもので、第1章では昔話「桃太郎」の多彩なパロディが楽しめます。

樟次郎:表題作はどんな感じなのかな~。

長谷:では、最初の方を引用しますね。

 

 矢沢です。

 昔々あるところに、お爺さんとお婆さんがワオワオしてたんだけどさ。

 お爺さんが山へ柴刈りに、お婆さんが川で洗濯してたら、ビッグな桃が流れてきたわけ。

 ドンブラコ、ドンブラコって。ノッてくれ、ノッてくれって。婆さんつい拾っちゃったのよ。

 その桃を切ったらさ、赤ん坊が生まれたのよ。この時点でもう、スターの素質があったのかな。

 じゃあ桃から生まれたから、桃太郎にしようって。んでお爺さんが一回、俺のところに相談にきたんだよね。永ちゃん、この名前どうすかって。

 んで、俺は言ったよね。いいね、その名前。いい名前なんだけどさ、俺はいいんだけど、YAZAWAがなんて言うかな?〈略〉

 

樟次郎:うわー、続きが気になる~。

長谷:矢沢さんの声が脳内再生されている感じがしますよね。この他にも、

 

「悪徳商法だらけの『桃太郎』」

「リアクション芸だらけの『桃太郎』」

「J-POPによくある歌詞だらけの『桃太郎』」

「日本がすごい『桃太郎』」

「『桃太郎』をヒップホップ調にしてみた」

 

などなど、桃太郎関連作が20タイトル収録されています。

樟次郎:その本ちょっと見せてもらっていいですか?

長谷:もちろんOKです。

 

10数分後。

 

樟次郎:個人的に「制約だらけの『桃太郎』」「制約:名詞・擬音・感嘆符以外の使用禁止」が気に入りました。

爺さん桃パッカーーーーーーン!! 赤子ババーーーーン!! 桃太郎ドーーーーン!!

とか、展開がやたら早くて。

 

長谷:鬼との対決も

桃太郎刀ブワァーー!! 鬼ズバズバズバッ!! 鬼ボッロボロ!!

で決着がついてましたしね。

 

樟次郎:あと、「走れメロス」のパロディ作品もバリエーション豊かで面白かったです。

 

・「ドタマかち割ったるぞワレェ!」メロスは激怒した。(「ヤクザ映画みたいな『走れメロス』」)

・「ちょっとお兄ちゃん! また激怒してるの!?」(「ラノベのような『走れメロス』」

・メロスは頭にぃ……キターッ!(「もしも織田裕二が『走れメロス』を実況したら」)

 

出だしだけでも上手に個性を出してますよね。

 

【物語としてのエネルギー】

樟次郎:そういえば、この本の「あとがき」の中に、素敵な言葉を見つけました。

 

ネット上のノリと勢いで書き続けた作品がこうして一冊の本にまとまって世に出るのは、いささか恐ろしい部分もありますが、「桃太郎」「走れメロス」、そして様々なおとぎ話は、楽しみ方次第では全く風化することなく、現代でも何度だって充分に通用する物語としてのエネルギーが宿っていることが、ひとりでも多くの読者に伝わってくれればいいなと思っています。

 

長谷:そうそう、私も気になっていました。ここまでの授業では、

・昔話としての「桃太郎」が少しずつ形を変えながらもずっと愛され続けている

・それを大胆にアレンジした様々な作品が創られ続けている

ということに触れてきました。そうした現象も、まさにこの「物語としてのエネルギー」に支えられているのだと思います。

 

樟次郎:なるほど~。

……えーと、3回目の授業はこんな感じの話で終わったんですか?

長谷:いえいえー。まだ全くの序盤ですよ。ごめんなさい、記事の見出しには「(前半)」とか書いちゃって(笑)

樟次郎:えっ!?

長谷:授業では『もしも矢沢永吉が~』の桃太郎作品3つを開始後10分間で黙読してもらいました。

樟次郎:短っ! 

長谷:ですよね~。ただ、現代でも『桃太郎』のアレンジがなお発展し、広がりを見せているということを知ってもらった上で、次のワークに進みたかったんです。

樟次郎:おおっ、どんなワークなんですか?

長谷:『桃太郎』アレンジの広がりを楽しみつつ「読書」にも親しめるような、ゲーム仕立てのワークなんですけど、話すと長くなりそうなので、ここでいったん休憩を入れましょう

樟次郎:よーし、じゃあおやつでも食べて英気を養ってくるかな。

タタタッ。

 

長谷:(すごい勢いで駆け出していったけど、ちゃんと戻ってきてくれるのかなぁ…)

 

~長谷クラス③(後半)に続く~

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