「道場法師伝」の現代語訳に挑戦

2017.11.27 国文学科
「古典文学研究(上代・中古)B」(科目名、長いですね・・・。)を担当している白川です。
大学では秋期(後期)も半ばを迎えています。
今回は、秋期の授業の中から「古典文学研究(上代・中古)B」について紹介します。
 
「古典文学研究(上代・中古)B」では、今期、平安時代の漢文学を取り上げています。
(“漢文”と聞いて「もうイイや」と思ったそこのあなた、もう少しだけ辛抱してください。)
 
“漢文”と言っても、授業で扱っているのは、日本人が書いた漢詩文、いわゆる日本式漢文です。
授業では、そんな日本式漢文の読み方の練習もしながら、平安時代に書かれた漢詩文について学びます。
平安時代には、『源氏物語』や『枕草子』のように、かな書きの優れた文学作品が書かれただけでなく、漢文の優れた作品も作られています。
 
これまでに、平安時代漢文学の前史となりますが、
百人一首での「天の原 ふりさけ見れば 春日なる みかさの山に 出でし月かも」の和歌でも有名な 阿倍仲麻呂が唐から帰国の船出をする際(帰国の途中嵐に遭い、結局仲麻呂の帰国はかなわず、唐で亡くなったことはよく知られています。)に詠んだ漢詩を鑑賞しました。
 
阿倍仲麻呂_変換.jpg
(阿倍仲麻呂 百人一首より)
 
さて、第8回の授業では、都良香(みやこのよしか)の書いた「道場法師伝」(どうじょうほうしでん)という伝記作品の現代語訳に挑戦しました。
都良香は、9世紀の官僚で、天性の詩人とも評される人物。山水を好んで仙術を行い、死後百年を経ても大峯の山窟にいたという仙人のような人物として『本朝神仙伝』(ほんちょうしんせんでん)にも登場しています。
その良香が書いた「道場法師伝」は、『日本霊異記』上巻第三縁のエピソードが下敷きとなっている作品です。
命を助けた雷の恩返しで生まれた異形の赤ん坊が、怪力の童子に成長し、元興寺に夜ごと現れる鬼を退治して、ついには道場法師という僧侶になったというお話。
この『日本霊異記』の元ネタは、水木しげるさんによって、「がごぜ」と題する妖怪話としてマンガ化されています。
 
受講生は、『日本霊異記』のエピソードと良香の書いた「道場法師伝」との違いを確認しながら、水木さんのマンガも参考に、現代語訳に取り組みました。
現代語訳の完成は宿題となりましたが、どんな現代語訳が出来上がるのか、楽しみです。
 
DSC03185_縦454_トリミング.jpg
 
授業では、この後、あの「学問の神様」としても有名な菅原道真の作った漢詩文や、『本朝文粋』(ほんちょうもんずい)を編さんした 藤原明衡(ふじわらのあきひら)の作品も取り上げてゆく予定です。
 
“漢文”ですが、紛れもない日本の文学です。ちょっとだけでも興味をもってもらえたら、嬉しい限りです。
 
 

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