大学院 人間科学研究科 人間栄養学専攻 第12回公開講演会が開かれました! 

2017.10.11 健康栄養学科

107日(土)、翔空館S1001教室において、大学院・人間栄養学専攻 12回公開講演会が開催されました。

「高齢者に見る頭のなかの溜まりもの」という演題で、今年から本学大学院 人間科学研究科 人間栄養学専攻 教授にご着任された開道貴信先生(健康栄養学部 健康栄養学科 解剖生理学研究室 兼任)にご講演いただきました。

17-15photo01.jpg

17-15photo02.jpg

ご講演では、頭のなかの3つの溜まりものとして「血」「水」「ゴミ」をテーマに取り上げられました。
 
「血」が溜まる例として、「慢性硬膜下血腫」について解説されました。
この病気は、歩行時のふらついたりして転んだりして頭をぶつけたときに出血がおこり、ゆっくりと(4週間くらいかけて)脳の中に血が溜まっていき発症するそうです。CT画像(脳の断面を見ることができる画像)を示され、頭をぶつける前後、手術前後で血腫の変化の様子が確認できました。
 
次は「水」が溜まった例です。「特発性正常圧水頭症」の症例について解説されました。
脳に「水」が溜まるとは、変に感じられるかもしれませんが、脳は柔らかく壊れやすいためパック入りの豆腐のように脳脊髄液という水に浮かんだ状態で存在しています。この脳脊髄液は、脳で作られ脳のなかを循環し脳で吸収されていきます。普通は作られる量と吸収される量のバランスが取れているのですが、何らかの原因でバランスが崩れ、水が溜まり脳内の組織が圧迫されることにより、歩行障害、認知症状、尿失禁のような症状を示すそうです。症状の改善には手術が必要です。動画で、術前・術後の患者の歩く姿を見せていただきましたが、術後は足がしっかり上がり歩かれている様子がよくわかりました。また、この症状が原因で、ころんで骨折を起こし寝たきりになってしまうことも多いとのことです。
 

最後は「ゴミ」です。「ゴミ」が溜まって発症するのは「アルツハイマー病」です。脳内の神経細胞から分泌される「アミロイドベータ」というタンパク質(=ゴミ)が蓄積し、神経細胞が変化、脳がどんどんやせていくような経過をたどります。非常にゆっくりと進行するのが特徴です。ここでもCT画像を示され、どのように脳がやせていくのか示されました。最近では、認知症の原因の50%を占め、最近のデータでは日本人の死因のトップ10にランキングされるまでになってきたそうです。睡眠障害と脳の「ゴミ」の溜まり方には関連があるらしいとの研究例や、アルツハイマー病につながる危険因子として「運動不足」がもっとも影響が大きいとのアメリカでの研究データを示されました。

 
では、予防の手段はあるのでしょうか?「散歩」することで死亡率が下がるとのデータを示されました。また、「散歩」では、がんや心筋梗塞など循環器系の病気にもなりにくくなるそうです。その他、「考えながら運動する(コグニステップ)」は、体のトレーニングと脳の活動を同時に行う良い方法だそうです。骨が強くないと散歩もままなりません。骨粗鬆症対策として食事についても気を付けましょう。さらに加齢とともに筋肉量が減少し「サルコペニア(筋減弱症)」や「ロコモティブシンドローム(移動機能低下)」に陥らないよう、「散歩」に加え、筋トレを行うことで筋力アップを目指す必要性について説明されました。
 
17-15photo03.jpg
 
今回の講演会では200名を超える方にご来場いただきました。受講者の皆様からは「動画を示され、よく理解できた。」「今日の授業を参考に健康寿命を伸ばしていきたいです。」「90分があっという間でした。」などのご意見をいただき、とても好評でした。
 
大学院・人間栄養学専攻では、毎年1回、一般の方々を対象に、最新の研究成果をやさしく解説いただく講演会を開いています。高校生のみなさんも参加できますので、ぜひご参加ください。
(人間栄養学専攻 専攻長 津川尚子)
 

大阪樟蔭女子大学 学科ニュース

DEPERTMENT NEWS
各学科に関する最新ニュースやお知らせを配信!

アーカイブ

RSS 1.0 2.0 読者登録

ページトップへ